このブログにご訪問いただき、ありがとうございます。サイトを運営してるDDと申します。
わたしは、趣味の王道から少しそれた場所で、好き勝手に遊ぶのが好きです。横道をちょいと入って、そこでコソコソ。それが「すみっこ遊び」です。
経歴
美術大学を出たあと、グラフィック・デザインやインダストリアル・デザイン、そして写真を撮影したりで、いつのまにか随分な歳になってしまいました。クライアントのために多くのデザインを行ってきましたが、いつか自分のためにデザインをやろうと思い、DDというブランドを始めました。今は文房具が主体のブランドですが、裏側では、ずっとオーディオを作ってきました。電気や木工の知識も無く、周りは達人の技術者・職人ばかり。師匠と呼ばせてもらっています。そこで出会った、魅力的なモノや人を紹介させていただきます。
自身のこと
海外のハイエンド・オーディオの撮影を、長いことやってきました。しかし、この世界には入らないぞと決めて被写体のオーディオの音は一度も聴きませんでした。危険な感じがしたからです。好きなクルマや仕事で愛用しているカメラ機材は随分なお金を要求してきます。もうこれ以上の要求にはお応えできないと、避けていたオーディオでした。
ところが、あるプロジェクトでオーディオのデザインをすることになり、それに没頭してしまいました。そこから始まった時間は、知らないこととの出会いばかり。モノを知らないという自覚はさらに大きくなりました。
お伝えしたいこと
好きなクルマも愛用のカメラも、長いこと現役バリバリですが、いつのまにかみなヴィンテージです。厳密に言えば、クラシックとかモダン・クラシックになりますが。学生の頃から使い続けている「ハッセルブラッド」はフィルムをデジタルに変えて、ボディーもレンズも今でも現役。ビルのようなサイズのポスターでも本領を発揮してくれます。27万キロ走った「シトロエンBXブレーク」も現役で、重い機材を満載して600キロ先のロケ地まで快適に走ってくれます。そして欧州のヴィンテージ・スピーカーは、毎日癒しの音楽で、仕事場を満たしてくれます。まったく陳腐化せず時代を軽く超える、魅力ある工業製品には頭が下がります。大量消費の影で産まれた、傑作なモノたちは、現代に残るデザイン遺産です。そんな話に共感してくれたら嬉しいなと思います。
先のこと
今では、傑作ヴィンテージ・デザインの展覧会が行われることもありますが、やはり直接触れて使うことで、見るだけでは分からない、デザインの本質を感じてほしいと思っています。古ければ、なんでも良いわけではありません。時代を超えて、現代生活の中で存在していけるモノやデザインが遺産です。コンピュータの中から産まれてくるデザインも良いのですが、手の中から産まれてきたデザイン遺産は、実際に使いながら、それを愛でることで、作られた時代のことや、メーカーやデザイナーの思いを受け、気がつくと「大切なもの」になっているでしょう。今大きく世が変化していますが、デザイン遺産はまだ多く残っています。これから遺産になるかもしれないモノも数多く存在します。それらを使うことで、きっと心が安らぐこともあるでしょう。デザイナーにとっては、最高の評価でもあります。小さなヴィンテージ・スピーカー1台から生まれる芳醇な時は、気が遠くなるほどの時間・歴史と今をシンクロしてくれます。そして、大切なデザイン遺産やヴィンテージ・スピーカーを、無駄に消費することなく、次の世代に確実につなげてほしいと願っています。
今、わたしは、ヴィンテージ・スピーカーを、日常生活の中で活かすためのデザインを行なっています。ライフワークになるでしょう。百年後、ヴィンテージ・スピーカーとそのデザインが同化して、日常を快適にすごすためのアイテムになっていると良いなと夢想しています。