ここまで重いスピーカーは、はじめてです。最近、13cmサイズのユニットのレポートが続いていますが、今回も13cmになります。大きく違うのは、その重量です。なんと6.3キロの横綱級重量。ちなみに、RFTの13cm / L2205は365グラム。L2322であっても600グラムほどです。私がよく聴いている励磁スピーカーは、RulllitのLab8ですが、20センチで約2キロの重量です。重さを比較することに意味などありませんが、RFTのライトウエイト13cmの20倍の重量になります。現在生産が続けられている貴重な励磁スピーカーの現役モデルです。無理をお聞きいただき貸していただきました。
少しスピーカーをご紹介します。(株)ローヤル産業のブランド「DEER」の製品で13cmフルレンジ / RF1301です、他に17cm / 30cmと60mmトゥイータ2種がラインアップされています。この重さが、このユニットにとってどれだけ必要なのか興味津々ですが、必然の重さなのでしょう。なんというかプロダクトとして存在感があります。これがRF1301のお姿です。
たまにマグネット部が、後に長いタイプのトウィータを見かけることがありますが、RF21301はさらに長く太いバランスです。励磁であることを外観で感じる唯一の後ろ姿ですが、電源の極性を間違えないよう端子の形状が違います。圧巻の後ろ姿です。
ずっと使用してきた平面バッフルに取付けて、DEERの音を聴きたいと考えていました。平面バッフルは箱で音を作らないので、ここまで思いを込めて作り込んでいるスピーカーの、裸の素性に触れられると考えていたわけです。以前、山梨にあるDEERの研究所で、大型の励磁スピーカーを聴かせていただいています。もう記憶は朧げですが、確か38cmの3Wayだったか・・・ それは、重量感やスピード感が異次元的世界観で、軽く音楽を流しておきたい、というような用途には向かず、否応なく音楽に対峙させられてしまいます。まさにプロが現場で使うような、音源が持つ音信号や空気感は全てクリアに出す、というニュアンスで、まあ頭をガツンと叩かれた感じがありました。なんというか劇場の後ろまで確実に届くような音でした。
その励磁スピーカーの姉妹ですから、ジャジャ馬は間違いないと踏んでいましたが、まさか平面バッフルに取り付けられないとは考えてもいませんでした。治具を作り固定すれば、なんとか取り付けられて・・・などと簡単に考えて、木工屋さんでリングの中で支えるスタンドを作ったわけです。最後は、ユニットの後端を床からスタンドで支えれば大丈夫だろうぐらいに考えていました。・・・しかしスタンドを作りながら、あれ、もしかしたら危険かもと。
後側でユニットを支えるとなると、それには撮影用のスタンドぐらいしか手持ちがありません。ライトスタンドかカメラ用の三脚か。機関銃を乗せられるジツッオなら大丈夫だろうと。バッフルはユニットの位置を決めるだけで、重量は後ろ側で支えるので、スタンドがしっかりしていれば、問題ない。過去に後ろの支えなく5.5キロのエッジレス重量級スピーカーを平面バッフルで試聴しています。FostexのSLE22Wです。とまあ、こんな風に軽く考えていましたが、後ろで支えるなら、音を矯正するドームは取り付けられないなとか。
通常、ユニットは6mmのアクリル製のサブバッフルに取り付け、バッフル側は、5mmのステンレスボルト4本で受け止めます。ボルトは木部にナットを埋め込み強度を確保していますので、5キロを超えるユニットでも問題なく取り付けられます。平面バッフルのリング部分は、かなり剛性が高いです。
励磁部を支えるスタンドが出来上がり、平面バッフル装着と同じ位置にスタンドを置いてみると、超不安定です。支点がダンパーのすぐ後ろになり、バランスが危うい。カーブを合わせたスタンドを、三脚に取り付けて・・・・。もし、なにかバランスを崩したら、ユニットが落下なんていう想像をしてしまい、平面バッフルの脚に取り付けるつもりだった撮影用の5キロウエイトにスピーカーが落下して、ガツン・・。これは起こらないでしょうが、でも分かりません。励磁部分が長いので、SLE22Wより大分無理がかかりそうです。二人がかりでスピーカーを取り付けて、その後で電源と音楽信号の線を繋いで、ということがかなり怖い。なにしろ固定は正面だけで、後ろは載せているだけですから。そして平面バッフル取り付けを断念しました。
これまで励磁スピーカーには、80〜100Vをかけていました。自分が所有するのは、全て欧州のスピーカーなので米国製のように300Vとかはありません。ですがDERRの励磁は、12Vが指定されています。この低さには驚きです。と思っていたら、「ウエスタンの励磁は同じような感じですから、むしろ米国的ではないでしょうか」と指摘がありました。・・そうか米国スピーカー使ったことがないなあと今更思うのでした。
コーンは普通の紙ではなく、何かが織り込まれているような、まるでスエードのような有機的な感じがあります。Philipsなどより有機成分が多い感じです。鹿革だと言われれば、そうかと思えるほどです。さらに、三次元的に奥に深い造形で、RFTの13cmユニットなどより面積も大きそうで、音域も有利になるのかも。なかなか高級感がありますが、これまでにない質感が好印象です。
ボイスコイルには、正方形の断面を持つ線が巻かれているようです。丸い線でできる隙間が無く、高い密度は磁力を無駄なく使用し高い音質に貢献します。いつだったか、テクニカルブレーンのアンプでは、トランスに四角線が使われ、音質を改善していると伺ったことがあります。DEERの音へのこだわりを強く感じます。聴けなかったのが、とても残念でした。無理した方が良かったか? いささか心残りです。
DEER http://www.royalsangyo.co.jp/field-coil000





