男前なDiatone P-2511

EUユニットに負けない国産はあるのか
TelefunkenやSiemensのユニットから交換して、違和感なく聴き続けられる国産ユニットは無いだろうか。これ良く考えることでした。それで一時的に国産ユニットを購入していた時期がありました。財源不足で、手当たり次第に購入という訳にも行きませんし、ストックするスペースも有りません。まだまだ気になるユニットは多いのですが、それは先のお楽しみということで今はDiatone P-2511を楽しんでいます。

「私って可愛いでしょう!」とか「私を聴いて・・』みたいなオーラが全くない、至極普通の姿で自然体のDiatone P-2511は、ヤフオクで出会いました。なんというかスーツを着たビジネスマンという感じで、硬派な男性の印象が強い。もしかしたら国産の平均的ユニットかと思い落札しました。期待値もそれほど高くなく、その平均的な音を確認したいと、当時よく聴いていたProgressive Duoを聴いて驚きました。えっ・・・これ国産のスタンダードなの??

TelefunkenやSiemensからこれに交換してすぐ聴いても、勝るとも劣らない、なんとも伸びやかな音は、感動を美味しくいただけます。どんな目的で作られたユニットか知りたいのですが、とにかく濃厚な味わいです。姿が、ごく普通で何もオーラを発しない分、説得力が強烈です。えっ、こんな音出せるのか・・・てな感じです。

国産スピーカーを考えると、真面目に音を測定して、想定値が律儀に出るというイメージを持っていました。NHK基準準拠だとか・・・。EUのユニットだったら、想定値をクリアしたら、どこまで良くなるか今度は耳を使ってチューニングし素晴らしい音を出せるユニットに成長させ完成させる。と言うふうに勝手に思い込んでいました。まったくの想像で思い違いです。

・・・・・・・・
なんともそっけない外観で、拍子抜けに軽い。ここまで力が入ったユニットだとは想像できない。コーン裏側の数字は、昭和39年10月31日製造と読めるが真偽は分かりません。機種銘板はスタンプでタコプリント。表面がキレイなコーンは金型を感じます。コーンの質感がとても良い。アルニコマグネットも神経質に作られていて、超真面目なものづくりは、日本を感じます。

メイド イン ジャパン製品は、パフォーマンスが非常に高いのにそれを外で表現しない淑やかなスタイルが、かつては多かった。カメラやクルマや時計、そして万年筆だとか、そんな製品が数多くあります。
800PS越えのフェラーリやポルシェを、少し前のGTRは480PSのエンジンでゼロヨンを制してしまう。痛快ではありますが。しかし外観はそこまでのパフォーマンスを主張しない。だから海外の連中は驚く訳です。しかし、Diatone P-2511は、どちらかと言えば「ハコスカGTR」とか?・・・・三菱なのでランサーか? チト違う感じだなあ。
まあ、そのような感じを連想させるDiatone P-2511は、まさに国産スピーカーの金字塔。以前アシダヴォックスに相当やられましたが、同じくらい感激しました。アシダヴォックスに比べ、サイズが大きいので、直接対決ではありませんが、上品というか知的というか。ヨーロッパの音には、アシダヴォックス以外の国産は敵わないと思い違いしていましたが、その思い込みを簡単に破壊してくれました。非常に嬉しい発見です。

最近、美味に惚れ込んでいたユニット、Rullit Lab8、Telefunken Ela6、Philips4923836など、どれも美しい女性を感じさせてくれます。実に色っぽいユニットたちです。音も姿もね。ですがDiatone P-2511は、ビジネススーツをキッチリ着こなした硬派な男性。実に男前。滅多にない出会いでした。

このような生地のスーツを着ています。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前回、難聴について書きましたところ、何人かの方から情報をいただきました。
ご心配ありがとうございました。時間が経過して、症状はだいぶ軽くなりました。
おせわになりました。