このユニット、アルテックのパンケーキに似ていませんか? ああ、Trusonic 50FRにも少し似ています。でも、どちらでもありません。メーカー不明のロクハンは、オレンジ色が印象的で、なんだか格好が良い。オレンジ色と幅広いエッジに惹かれ購入しました。マグネットに書き込んだ諸元もうまい入れ方で気に入ってます。幅が広いエッジは大きなストロークが期待できます。と言ってもヴィンテージだったら使い切れないかも。でも、その分コーンの直径は10cmしかありません。正確に測れば95mmです。これは現在トゥイータとして使用しているSachsenwerkの13cmユニットと同じです。このユニットは、どんな用途を想定して作られたのか興味が湧きます。ラジオなのかコンソール用なのか、薄いMDFに沢山穴を開けた後面開放が良いのか、それともバスレフが良いのか・・・、一体いつごろのスピーカーなのか・・ Vintageではないかも。
さっそく、聴いてみることにします。
ロクハンというサイズは、AshidavoxやPhilipsの伝説的なユニットなど名機がたくさんあります。前回のSiemensとIsophonの異母兄弟から連続して、今聴き始めました。特にエージングもせず普通に音楽を流し始めましたが、直接10吋と比較してしまうと、重低音成分が少ないのは仕方ないですが、少しだけ重心が上に移動して、かなり元気です。慣れ始めると薄味にも馴染みBGMとしては良い感じです。
ところが、トゥイータを加えると、パッと目が覚めた感じで音楽が変わります。そして低域もこれくらいあれば良いかなという感じに変化しました。高域が、ここまで低域に影響が出るとは考えていませんでした。
今、4曲目ですが、なんだかこなれてきた感じで、不足気味だった低域も出始めてきました。エッジからも低域が出ていますね。低域成分が重要なエンヤを聴いていますが、不満ありません。低域欠乏症は解消してきた感じで、このままエージングを深めていきますが、薄味から旨み成分を楽しめる感じに変化してきました。たった4曲の変化は大きかった。
Ashidavoxでも感じましたが、このザイズでこの音が出れば、大きな平面バッフルが無くても良いかなと思ったりします。10吋まで対応する平面バッフルに取り付けるロクハンはとても小さく見えます。でも、日常の音楽はこれで十分です。そうなると平面バッフルのデザインも大きく変わりそうです。現代のスピーカーを考えると、ロクハンでも小さなサイズではないですからね。
デスクトップ型でヴィンテージ・スピーカーを楽しむことができそうです。
このユニットは、何かに組み込まれていたのでしょうが、初めから見えないところに入るというより、ユニットとして店先に並んでいたようにも思えます。とても質感が良いからです。寄せ集めの感じがありません。ロクハンのPhilipsも出来よく作られていますが、それより見られることを意識したユニットに見えます。もしかしたら国産のユニットかもしれません。前回に続き銘板が有りません。見る人が見れば、どこかにヒントが隠れているかもですが、残念ながら私には追いかけることができません。
「Eddie Higgins Trio」の「Summertime」を聴いています。この曲はコントラバスが曲を組み立てています。魅力的な低音とキレの良いシンバルまで、快適に曲が流れていきます。幅が広いエッジとストロークが大きそうな形状のダンパーなど、旨味のある音に貢献していますね。ああ、このユニット好きです。 どなたか、このユニットをご存知の方いらっしゃいましたら情報いただけませんか。