割れた真空管 2

 

 

 

焦げた2本の抵抗はシャーシも黒くしてしまう
火を吹いたようにも見え、火事が恐ろしい

 

購入した真空管GE-727Aは、一カ月弱でアメリカから届きました。届く前に焼けて黒く変色した抵抗やコンデンサーの修理をしようと考えていましたが、結局真空管が届いてから、アンプ師匠に修理をお願いしました。
1週間ほどで、割れた真空管アンプは生き返り、師匠からは大変良い音だという評価をいただいて、「こんなに良いアンプを頂いてしまって本当に良いの?」とも聞かれてしまい・・・思わずSBさんに再度確認してしまいました。真空管の足を見ると少し溶けていて驚きました。瞬間的に1000度とかまで上昇したのでしょうか?

GE製で同じ番号の真空管ですが、取り寄せた真空管はずいぶん雰囲気が違います。まず全体のサイズが大きく、中のプレートは高さは同じですが形状が違います。色々調べてみたら、どうも大丈夫そうなので、これを使うことにします。並べると統一感が失われますが、これは仕方ないですね。私のイメージでは、真空管はボーツと赤く光るものだと思ってましたが、実際にはほんの少ししか光らないんですね。なんだかオレンジ色のLEDなど仕込みたくなりますが、これはやらない方が良いのでしょうね・・・

この話は、真空管アンプを今の環境に一台追加する、というだけの話なんですが、実に色々な問題が起こりまして悩み多き問題に発展しました。
まず、アンプの置き場が悩ましい。真空管アンプは、トランスがとても重く、しっかりしたラックが必要です。以前、簡単に組んだデスクの天板が落ち、キソアコースティックのスピーカーを落下させてしまった事があります。アンプも一緒に落下しエンクロージャにアンプが当たり、小さな凹みが出来てしまいました。真空管アンプの元主は、このスピーカーの開発に絡んでおられ、彼の手持ちを借りていました。実に良き音です。
これがトラウマになってまして、真空管アンプを落とさないよう、剛性感あるラックではなくデスクを作り始めています。これだけでブログが一つ書けそうです。なにしろ脚には、真鶴半島で採れる小松石を使っています。現在は、メープル厚板を使い天板を作っている最中です。
そして、これが一番重要な事ですが。当然のように真空管アンプにはボリュームがありません。プリアンプは考えていませんので、何か音量を調整するデバイスが必要です。
以前使っていた別の真空管アンプでは、プレーヤとの間に廉価なFOSTEX製のボリュームを入れていました。残念ながら、存在感が強く音に対する影響大で、使用を諦めた事がありました。ちょっと音質の劣化が大きかったです。そこで、相談したのが、私を励磁の世界に呼び込んでくれた原さんです。彼曰く「フェーダーですね。ノイマンのアクティブフェーダーが、トランジスタ無帰還アンプと相性がよいです。」だとか。
ウーン、ボリュームだけで大事だなあ。これが正直な感想。なんだか高そうな雰囲気も・・。RCAケーブルの中間にボリュームをつければ良いと、真空管アンプの前の持ち主から、ケーブルをいただきましたが、変な機材レイアウトをしているので、プレーヤーが真空管アンプまで届きません。残念・・。

後日、原さんが、ノイマンのフェーダーとノイマンのサミングアンプ・V175-2、そしてジーメンスの24V電源を重そうに持参いただき、ひとまずトランジスタ無帰還アンプに繋いでみます。
スピーカーはPhilipsの励磁10吋です。アンプは全開、フェーダーで音量を調整するようにセッティング。
プリアンプを使いたくなかったのは、何種類か試したプリは、どれも存在感が強く、ああ何か入ったなという感じがありました。それがイヤで、何も入れたくないなと。無帰還アンプの音質が劣化したのでね。

左のアクティブ・フェーダーには、右のノイマン・サミングアンプV-157-2と同じものが内臓されていて、とにかくオーラを発しています。テーブルができないと並んだ姿は見れません。これには今置いてある大きなエンクロージャの撤去も必要です。

そんな理由で、ノイマン・フェーダーにも、少し抵抗がありました。原さんからは、以前無帰還アンプを試していただいた時、彼は今回の組み合わせを試してくれていて、良い効果が出るという話でした。原さんからの話でしたから、きっと良いだろうなと想像していました。しかし、間に入れる訳ですからほんの少しの劣化はあるのかなと想像。しかし現実には、アクティブ・フェーダーを追加してアンプの音質が劣化する事なく、むしろ、驚くほど活き活きした感じに変化しました。Philipsの音質がガラッと変わり、あえて言えばTekefunkenのような感じがします。低域も広域も帯域が広がり、音質もクリアな感じです。これはアクティブの威力か?
これ良いです、非常にね。ただし、真空管アンプより存在感が強く、何やらオーラを発している感じがします。サイズだって、電源を入れると真空管アンプに近い大きさです。
これまでデザインしてきたアンプは、どれもデスクトップを意識した小柄サイズですが、真空管アンプは大きい。トランジスタ無帰還アンプの5倍ほどのサイズです。今作っているテーブルに上手く収まるだろうか??
しばらくすると、今作っているトランジスタ無帰還アンプの新しいデザインが出来上がります。