ヤフオクでSachsenwerkの8インチ励磁スピーカーに出会いました。「小さな音しか出ない」の記載があり励磁を知らないか、ジャンクか・・・たぶん励磁を知らないのだろうと想像しオークションで購入。同じユニットはeBayでも時々見かけますが、比較的安い価格で売られています。第二次世界大戦の前後あたりのラジオに入っていたスピーカーと思われます。だいたい、なんと発音するか分かりません。ザクセンヴェルケ? Rullit Lab8を他の励磁ユニットと比較したいと考えていました。これでじっくり比較できます。
代金を支払い、送ってもらう時、その事故は起こりました。不注意でコーンに亀裂が入り、それだけならまだ良いのですが。欠損穴が空き、その破れて取れた部分を廃棄されてしまいました。これでは接着で戻すことができません。これがその穴の一部です。吉田リペアサービスさんにお願いすればキレイに修理できるでしょうが、自分でやってみたい。紙の繊維ではない、獣的な繊維がだいぶ混ざっているのか? フィリップスとも違う感じです。これが数カ所あります。
形状が合いそうなユニットを入手しましたが、微妙に合いません。どうしたもんか悩んでいます。漉いた和紙の繊維から作るのも大変そうだし・・・型を網で作り・・ああ無理かな。やはり他のユニットから調達でしょうが、同じような質感のコーンは入手が難しそうです。ま、ちょっとなので、少し違っても目をつぶることにしましょうか。これもヴィンテージ・スピーカーの楽しみでもありますので、ゆっくりやりましょう。
ドナー・ユニットが見つかるまで、Rullit Lab8では簡易的にすませた励磁コイルのエージングを、入念に行うことにしました。今回は、長期保存によりコイルに水分が含まれていると想定し、2日かけてコイルの温度を上げて行くことにします。10Vから時間をかけて、最初の日は40Vまで段階的に上げていきました。まだコイルに熱は感じません。しかし、少し時間がたつと、コイルにヒンヤリ感じがなくなってきました。朝早くからはじめ、昼頃から50Vまで、少しづつ上げていき、夜には60Vまで上げて夜中までそのままで、一応これでエージングは終了とします。コイルには75mA 6Wの記載があります。測ると2.9Ωで左右が揃います。30Vで音源を入力しましたが、だいじょうぶ軽快な感じで普通の音量で鳴ります。ヴォイスコイル大丈夫かな?
このGR3831は、Rullit Lab8のシャーシに少し似た感じですが、塗装が違うとこんなに雰囲気が異なるんですね。このシャーシの形状は、かなり多く見かけます。どこかの会社が、一手にシャーシを製造していたのかもしれません。励磁コイルが短いGR-3777も同じシャーシのようです。ラジオに入って普段は見られることがないスピーカーですが、製造で気を抜いた感じはしません。コーン紙も専用メーカーがありますし分業化が進んでいたと思われます。日本のメーカーは、自社製造が多かったようです。最初は付いていたであろうトランスは両側ともありません、そのかわり、励磁コイル用の端子台が後付けされています。とにかくコーンを修理して早く音を聴きたいものです。
修理が終わったら、これから聴こうと思っています。「Chet Baker Sings」の「My Funny Valentine」
ユニットの雰囲気は几帳面な感じだし、東ドイツ製なんですが、チェット・ベーカーを聴いて見たい・・・