オープン・バッフル試作2号機

 初号機で入らなかったSiemensとIsophon  リングはカリン

Siemensの10inchを購入しました。これは相棒がisophon10inchのペアでした。問題なくペアになっているという説明で、いろいろなユニットを見たいと思っていましたから、購入してみました。そして、待てばいずれペアになるだろうと考えて購入したFEHOの10inchも届きました。

オープン・バッフルの最大取付けサイズを10inchにしたので、何種類か10inchのサイズを試して見たかったんです。残念ながら、周囲にはヴィンテージ・スピーカー趣味の方がおられず、すべて自分で揃えないと、なにも分かりませんでした。その結果、初号機では、これなら大丈夫だろうと考えていたサブバッフルが、ほんの数ミリ・・6ミリほど寸法が足りない事が判明。国産の10inchユニットが取付可能だったので安心していましたが、あとで購入したSiemens/Isophon10inchがうまく収まりません。ユニット取付フランジが外側のリングに干渉。どうしても後買いの10inchの音を早く聴きたくて、試作二号機のデザインを開始することにしました。

試作初号機は、8inchと国産10inchでは問題なく快適に機能しています。これは、このままで使うことにして、さて6mm不足のサブ・バッフルをどこまで広げるか、が焦点です。あまり大きくても、存在感が強くなります。単に6mm拡大しても、さらに少し大きめのユニットが出現したら、たぶんアウトです。そこで18mmの拡大にしました。ということで、試作二号機のデザインのスタートです。

まずは、初号機での問題点をリストアップして、二号機のテーマをハッキリさせます。
■全ての10inchのユニットが収まるように、バッフルリングの寸法拡大を。
■スピーカーの重さがかかる最重要部品のバッフル・リングの、平面スタンド板への取付け強度を向上させる。
■バッフル・リングを接着積層ではなく、ボルトで固定したい。+バラせるようにして厚さも変更可能に。
■ユニットを取付けたアクリル・サブバッフルを、簡単に確実に取付けたい。
■後ろで全体の角度を支えるスタンドを、取り外し可能にしたい。
■平面板下の左右両脚も、簡単に確実に取付けたい。
■部品加工をできるだけNC化し、サイズを規格化する。
■サブバッフルのSP取付けネジ穴に融通を利かせ、ユニットの取付け自由度を向上させる。
■生産のコストダウン

けっこうテーマ満載です。初号機はデザインや機能を確認するためのモックアップでもありました。イメージ通りに作り8inchから国産10inchまでのユニットで機能は確認ができました。
デザイン的には、二号機製作で、設置場所に合わせてイメージ変更できる構造にしようと思います。しっかり存在感を出したり、あるいはインテリアに馴染んで過度な主張をしないなど、自由な対応ができるシステムです。
スピーカーをインテリアとして考えると、趣味に合わせられるオープン・バッフルの自由度は不可欠。オーディオマニアの方でしたら、存在感が欲しいかもしれません。
いずれにしてもスタイリッシュなオープン・バッフルを目指しています。

そして出来上がったのが、これです。ほぼすべてのテーマをクリアできました。
ゼロスタートではないのに、製作に4ヶ月ほどかかってしまいましたが、機能性が飛躍的に向上しました。


真空管アンプを何台も自作されているYさんの広いお宅です。なんとも羨ましい環境です。

LPレコードより少しサイズアップさせたサブバッフルにより、各種10inchユニットは問題なく取り付きます。ユニットを支持するバッフル・リングは二枚の板で挟み込み、心配無用の高剛性。また、バッフル・リング自体がバラせるので、表のリングの着替えも自在です。SiemensとIsophonのビューティペアは、ペアを解消しました。当たり前ですね。おかげで、ひとりぼっちが、3台になってしまいました。
初号機で、少しやりにくかったサブバッフル取付けも改善し、スタンドも外せますので移動も楽になりました。平面スタンド板の前後二枚構造により、前板のみを交換することも可能です。この板の素材や形状で、イメージをガラッと変化させられるので、これは楽しい。

このスペックで、しばらく使って様子をみることにします。最初はバーチ合板そのままで、これで良かったのですが突き板を試したくなり、リングと同じウォールナットをおごりました。少し重量感がでますね。

上のイメージは、HECOの4inchツイータとStentorian1012を組み合わせています。HECOのツイータは樹脂で成形された密閉ユニットで、実はStentorianに合わせて塗装しました。不注意でドライバーをコーン紙に落とし亀裂を入れてしまい、後ろに二箇所窓を開けそこから補修しています。穴に樹脂を戻しても隙間が空きますからそこを修正して塗装しました。能率などStentorianとの相性が良いです。とてもチープに見えるHECOですが、なかなかの実力です。ヤフオクで4コ5000円で購入。お安くしていただき、ありがとうございました。

ひとまず、「Jacintha」の「Autumn Leaves」をflacで聴いて、ゆったり気分に浸ります。