Philips AD3501MD/01

 

 

 

手放せない12cmユニット。1960年代製造

 

前回のSachsenwerk Type19/4mでは、随分Philips 12cmのことを褒めました。このユニットは正式にはPhilips AD3501 MD/01という名称です。確かコンソールのステレオに入っていたモノだったと聞いていたように思います、そして高音質でとても評判が良かったと。実際には、あまり期待もせず12センチのフルレンジ・ユニットを平面バッフルで聞いてみたいと思い入手しました。
しかしです。初めて聞いた時私は大層驚きました。その時は国産の評価が高い6.5吋ユニットとこのブログの最初に出てきたSABAを入れ替えながら毎日楽しんでいましたが、このPhilips12cmはそれらに負けないし、かえって積極的に聴きたくなるスピーカーでした。スピーカーはサイズじゃない、と実感させてくれたユニットでした。今でしたらMarkAudioですとか低域から高域まで豊かな表現ができる現代的な小型ユニットもありますが、ヴィンテージでそれは無いだろうと決めてかかっていました。6.5吋より8吋の方が表現力があり、さらに10吋の方が偉くて15吋は王様ぐらいに考えていました。でも8吋の後すぐ聴いても、そのままユニットサイズを気にせず聴ける12cmユニットが存在すること、驚きましたね。Philipsの製品作りの姿勢には、いつも驚かせれていますが、この12cmには脱帽です。低域でも実に禁欲的な感じがなく、箱庭でもなく広々としています。8吋でも、もっと狭い感じのユニットもあります。しかも、これはヴィンテージユニットですからね。

前回のSachsenwerkと比較すると、わずか1センチの違いですがPhilipsは随分小さく見えます。製品の仕上がり感は同等かなと思えます。AD3500のアルニコをフェライトに載せ替えたのが、このAD3501です。コーン紙やダンパーはアルニコ版と共通で、9710M/01などと、ほぼ同じ質感と完成度です。
調べてみたら、フェライト磁石は日本の東京工業大学で開発され戦前に国産化されていたようです。それがどのように広まったか調べきれていませんが、大戦後欧州へも渡ったと思われます。スピーカーというより、複写機や磁気テープ、それにHDDなどで多く使われていますので、使いやすい磁性体だったんですね。
友人が遊びに来ましたので、この12cmで音楽をかけると、目を丸くして美音に驚いてました。オーディオ関連の人で、彼にはいつも一緒に音を確認してもらっています。このPhilips 12cmは普遍性を持つスピーカーだと思います。とにかく、このユニット大好きです。

 

好きなYoutube番組「YU SR500愛車のある暮らし」で流れていた曲をShazamで検索し、それをApple musicでよく聴いています。暑い日にビール飲みながら聴くのが最高かも・・
Anthony Lazaro & Sarah Kang で Something New(Duet Version)
YUさん、真空管アンプでTELEFUNKENのエンクロージャを楽しんでおられます。クルマもアルファとシトロエン・・・同じだあ・・

https://www.youtube.com/@YUTube123