ずっと気になっていたスピーカーがあります。R&Aという英国ブランドのユニットですが、High Fidelity R&Aという源氏名が有名です。私は、このHigh Fidelityというワードと無駄が無いクールなデザインにやられました。以前eBayで見て以来、ずっと欲しいと思ってまして一目惚れだと思います。eBayを逃し、その後ヤフオクに出るも、油断していたため100円違いだったか落札を逃してしまいました。入手できないとなると、さらに熱が上がるものですが、なかなかこのブルーグレイのR&Aは出てきません。あっても黒がほとんどです。黒では心動かず時間が経ってしまいました。この色に惹かれていたのかな。
ずっと色々なショップやオークションを彷徨いましたが、忘れた頃にヤフオクにポッと再度登場しました。ヤフオクで他の方と競り合うのは、なかなか緊張するものです。それでも、なんとか入手できて、それがこのユニットです。製品名は、77100。
ドイツ系のユニットと比較して、若干ウェットな感じでヴォーカルは非常に良い感じです。豊な低域は音楽に奥行きを与えてくれるし、スッと生活の中に入り込みました。音楽に対峙させられず長時間聴くのに向いてます。だから、最近R&Aをずっと聴いています。これをイングランドトーンと言うのでしょうか。ドイツユニットの厳しい音質に少し疲れたら、絶妙な音楽を聴かせてくれます。弦も声も美味です。フルレンジですが、調味料のトゥイータを追加するとより美味です。現代の強烈な低域を求めないなら、サブウーファーは必要を感じません。皮膚で感じる低域の響きが感じられます。少なくとも、私の環境では良い感じで低域までストレスはありません。R&Aは世界的にも人気があるユニットのようで、R&A社が同時に販売していた真空管アンプも人気高で、配線図や補修部品なども入手可能ということですが、コチラは確かめてはいません。社名R&AのAは、アンプのAです。
77100は、50年から60年代の製造で、比較的小さいアルニコ磁石は強力な磁気回路です。内磁型のヴォイスコイルは比較的細く、高域も良さそうですが、じっくり楽しんでみます。他のモデルのように紙の銘板に磁束密度の表記はありません。紙の銘板なんですね。ヴィンテージには、意外にこれが多いと感じます。サイズは10インチで、ヴィンテージ特有の軽いコーン紙でウエットな音がスッキリ出てきます。いつも平面バッフルで聴きますから、箱でユニットの動きを制限しないため、このユニットにはこの環境がフィットしている様です。ヴィンテージユニットは、コーンに背圧がかかると敏感に反応して、生き生きした感じに影が差します。アンプは、前回レポートした無帰還アンプで、ヴィンテージ用の切り替えがありますが、普通のモードで良いみたいです。真空管アンプも、相性が良いですね。高能率なので、現代の大ワットのアンプは不適合ですが、小さな出力アンプに元気よく反応します。
アップで撮影すると、片方のユニットだけコーンのガスケット部に、製造年号が見えます。これを見ると1966年の12月14日と読めますから、比較的後期のモデルの様です。コーンを漉く時に水分を絞りますが、その時の穴がコーンの表面に見えます。かなり微細な穴を空けていますが網を使ったのだろうか? 繊細なパターンです。
シャーシは比較的薄いプレス板金ですが、エッジに小さなRが入り剛性を担保。簡潔なフォルムで部分的に入るクロームパーツが実にスタイリッシュ。シャーシは3つの柱で構成され、開口の面積は大きい。このデザインがシャーシの響を作っているんでしょう。マグネットの先端に入る黒い銘板が、緊張感を作っています。グッドバランスです。ハイファイを唱えるのも理解できる、低域が支える濃厚で雑味がない中域は、これまたグッドバランスが魅力です。何かの箱に入ってしまい、姿が見えなくなると可哀想ですが、もしかしたらユニットを単体で販売していたのでしょうか。他のモデルは黒塗りが多く、裏方に徹した、いかにも箱に入っていた感じが強いですが、このモデルだけスペシャル・カラーのようです。単体販売かなと思わせるユニットが、過去にも色々ありました。R&A77100の塗装はブルーグレイなんですが、愛車のカニ目もこれに近い色で、どうもこの色に弱いようです。





